北野台ながれの公園で市の測定・除染で感じたこと

【空間線量の数値の測り方】
　市民が線量計を持っていなかったら、市民は市の測った数値しか知ることができない。現在行われている12か所の定点観測で測定されている場所は、公園の代表値ということになっているようだが、今まで測ってきてそれ以外の数値がたくさんあることは分かった。先日の高濃度汚染を発見された方も線量計がなければ、市役所に通報することさえしなかったかもしれない。
　
　集水桝の堆積泥の上で測ったとき、市の計測した場所と私が計器を置いた場所が50㎝くらい離れていたことが、とても重大だったことに後で気づいた時にはすでに除染されていた。
　市役所のDOSERAE2の数値はRadiの数値0.471μsv/hの約半分だった。 みな初めてのことで、自分の計測で手一杯であったし、役所が間違えたわけではない。ただそこよりもっと高い場所が50㎝隣にあったことに、なぜ数値が倍も違うのかしばらくお互い理解できていなかったのだと思う。
（実は私はDOSERAE2が壊れたと思ったが、市はRadiは壊れていると思ったかもしれない・・・。）

DOSERAE2の数値とRadiの数値が倍違うのは、計器が壊れているわけではなく、高濃度の堆積泥に濃淡があったか、Radiが線源の近くにあって、線源から距離の逆二乗則（距離2倍で数値1/4）した辺りが市役所のDOSERAE2を設置した場所だったのだろう。

　実際に1m高さのRadi 平均値は約1/4の0.125μsv/hだったことから、50㎝隣で数値が半分以下になることもあるのだろうし、その後の周辺の計測で、お互いの数値が倍違うことはなかった。
　これで市のHPではこの度の高濃度汚染は半分以下の数値が発表されることになってしまった・・・。
　



【土壌調査結果について】
　今回通報者が自治会、議員を通すなどの段取り以外に検査機関からの分析結果を持っていたことは、八王子市を動かした大きな理由の一つかもしれない。 この検査に通報者は6000円を払った。安い方とはいえ、そう何度もできることではない。
　八王子市も今回、土壌調査の検体を持ち帰った。1週間で結果が出るということだ。双方分析結果を持つことは非常に重要だと思う。

　また、参考に相模原HPを見ると必ずしも空間線量とセシウム含有量は一致しておらず、雨水に関係しているところが空間線量と関係なく高い数値が出ている。相模原の浸透桝、北野台の集水桝、大きさも条件もまるで違うので比較にならない。自宅の浸透桝は屋根の大きな豪邸でもないのに、5㎝高さで1.725μsv/h出ている。それでも土壌検査でどれくらいのセシウムが出るか、今頃ヨウ素が出ていることなど予想もつかない。地形、風などの影響まで考えるとやはり測らないとわからない。

※相模原HP　下記URLの測定結果PDF参考
相模原市　市内公園における放射線量・放射能濃度サンプル調査結果について



【精密機器の共同購入について】 
　現在市民グループが土壌、水、食品が測れる精密機器を共同購入するために寄付を呼び掛けている。人口55万人超の八王子市だから、みんなで出せば良いものが買えるかもしれない。殺到するかもしれないが、食品のこともあるから、6000円を何度も払うよりは使うほど安くなるのと、フル回転すればより多くの情報を共有できるのはお得感もある。正直、最初は55万分の一人では使える機会はないと思っていたが、今回のようなことはこれから多く出てくると思うと、空間線量計プラス、説得力のある分析結果を持つことで自ら考え、行動できることは強いということを実感した。こうして徐々に町が除染されていくことに力を発揮してくれるのであれば、ぜひ一台はほしい。
　 他の市町村では給食検査をしているところもある。市が検体を検査機関に出したり、市民団体が検査し、市が機器の資金を出したりと様々だが、今から八王子市と交渉するのは時間がかかり過ぎるため、だとか・・・。それはそうかもしれない・・・。

※八王子市民講座測定室プロジェクト
測定室プロジェクト

チラシはこちら
チラシ表
チラシ裏



【市の除染について】
ハプニングはあったが、八王子市の対応は素晴らしかった。時間前には管理業者もきており、時間どおりに全員集まり、素早く計測して、すぐに除染にかかった。しいて言えば、高圧除染後の線量が見たかったが、それはまたの機会に。