2012年1月23日八王子市除染 |
年月日:2011年11月~2012年2月
計測方法:設置後1分10秒放置。1分ごとに4回測定し平均を出した。
計測高さ:地上5㎝ 単位:μsv/h
最大値:0.643μSv/h
【測定資料】
【めじろ台2丁目除染早わかりマップ 】2012年2月9日現在 |
【Radi20か所除染前後数値比較】2012年2月9日現在 |
【35か所測定記録写真ファイル】2012年2月9日現在
【測定経過】
◆Radiで測定
最高値0.643μSv/hの駐車場 |
・11月6日、めじろ台2丁目市道の測定を始めた。
・11月8日八王子市が第19回東日本大震災対策後本部会議で目標とする線量、0.24μSv/h以下(年間1mSv以下)を超える値が検出された場合の除染を決めた。
・12月6日、この時点では市の測定器とRadiのどちらが高い数値を出すのかは不明だったため、念のためRadiで0.15μSv/h以上だった90カ所余りの汚染個所を地図にまとめた資料をもとに、市道の管理者である道路補修センターと共に、測定した個所を現地で確認した。市の測定の際にはDOSERAE2は高線量で数字がふらつくことがあるためアロカTCS-172Bで測ることをお願いした。
・12月8日、新たに数か所の汚染を発見し、97か所と訂正して地図と測定値のデータを道路補修センターへ提出した。
・・・97か所測定写真アルバム
・・・Radi測定結果
◆八王子市測定の市民立会
12月20日、筆者が参加できず市民に立会を呼び掛け八王子市の測定が行われた。97カ所の中から、通報者の測定値が0.25μSv/h以上であった場合市が確認の測定をするという新しい規定で篩に掛けられ、この日アロカで確認する測定個所は35か所に絞られた。
測定結果からRadiはアロカTCS-172Bよりも高い数値が出ることが分かったため、安全側の測定になった。と言っても、除染に漏れた汚染は放置されたままなので何も安全ではないことは今までと変わらない。また参加した市民の黄TERRAはGM管でアロカよりも低めの数値をだした。
東京新聞2011年12月21日に掲載された |
・・・2011年12月20日測定結果
◆八王子市2カ所の試験的除染の実施
2012年1月11日、八王子市に除染の件で問い合わせると、前日10日に市の試験的除染が2か所で行われたと事後報告があった。本格除染の前に汚染の量を把握するために環境保全課と道路補修センターで測定と除染を行ったということだった。除染の状況は市の報告写真の通り、水撒き後、シャベルなどで汚泥をバケツに集め、デッキブラシで洗い流している。
昨年12月14日に公表された環境省のガイドライン(2-39~2-41参照)より、このあたりは山田小学校の通学路のため地上から50センチの測定が行われたということだそうだ。
・・・2012年1月10日八王子市測定結果
◆八王子市5カ所の除染の実施
1月23日、筆者不在のため再び市民に呼び掛け市の除染の立会として測定した。当日は始まる時間直前に雨が降り、試験的除染の工程の水撒きを省いた形になった。
除染前測定⇒シャベル、ほうきで除染⇒除染後測定。
除染の始まった時間が遅く、天気は下り坂で5か所のみ除染が完了した時点で終了。この日夜から関東地方は大雪となり、翌日予定していた残り13か所の除染は雪が溶けるまで保留となった。
除染前の測定 |
・放射線は距離の二乗に反比例で点線原から離れると数値が減る。 このような汚染が点線原とまでは言わなくとも実際にずれると数値が大きく変わることを注意したい。
箱の中をのぞいた写真 |
点線原の場合、方向特性がある感知面の向きは数値に大きな影響がある。Radiは方向特性がない。
バケツは20リットル、ビニール袋に入れる |
ほうきで集めてバケツへ入れて終了。水で流さない。 |
・道路補修センターは環境省ガイドラインと従来の東京都からの測定5㎝の両方のデータをとっていた。これだけの汚染も50㎝離れると数値は半分くらいに落ちてしまうため環境省の原則的な除染基準、50㎝で0.23μSv/hを下回ってしまうのがほとんど。 0.4μSv/hを超える汚染をこのまま放置するにはあまりにも不安定で身近すぎる。
・ 個人的には雨上がりの市の除染よりも晴れた日の住民のほうき掃除のほうが危険を感じるが、職員には環境省ガイドラインにあるような除染の際に住民に放射性物質の危険性を周知させるような注意があってほしかった。
・除染されない放射性物質についても、未だ何の指示も周知も注意もない。
3か月近くにわたりホットスポットを測定してきて、同じ場所でもかなり数値が変化していたことが分かった。それだけ放射性物質は浮遊し飛散しては雨で堆積することを繰り返しているのではないのだろうか。
◆八王子市残り13カ所除染の実施
2月9日筆者不在のため再び近隣住民の除染の立ち合いで測定した。時間削減のためか、除染前の測定は2か所を除き行われず、除染⇒除染後測定となった。昨年12月20日の測定をもって除染は決定されていたということだろう。また前回の環境省除染基準の50㎝測定は行われなかった。
洗車ブラシの登場! |
除染後測定 |
長い範囲でたまった汚泥の除染 |
最高値だった個所の除染 |
洗車ブラシはこのように使われた |
雑草をノコギリで切る |
除草しながら除染 |
除染後測定 |
駅前の建物の屋根から落ちる樋、土はなくコンクリートは乾いている。除染前はRadiで0.211μSv/h、12月の通報時より既に0.1μSv/h下がっていた。 |
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擦って布でふき取ったが、数値は逆に上がってしまった。除染後はRadiで0.228μSv/h |
・・・2012年2月9日八王子市測定結果
【この測定を始めたきっかけと感じたこと、汚染の行く先】
この一連の測定について、私はめじろ台だけがきれいになってほしかったわけではない。八王子市主催の測定でホットスポットが全く見つかっていないことへの疑問、その後八王子市が決めたの除染について行政がどの程度現実的に考えているのか知りたかったから。除染されるその日まで、私は最終的に市は除染はできないものと思っていた。
除染といっても取り除かれる側と集められる側がある限り、消えるものではないし、北野の保管所がいっぱいだったことはこのブログでも紹介していた。行き先がわかった以上除染=安心・安全の代名詞ではなくなってしまったのはみな同じではないだろうか。
浮遊する放射性物質よりは集まって密封され管理されているほうが安全だし、ここまでは誰も疑問を持たないと思う。現在めじろ台から持ち運ばれた汚染は北野の住民からの苦情で処理場には運ばれておらず、道路補修センターの資材置き場に置かれているという。
昨年10月13日の東京新聞に載った多摩地区の焼却汚泥を東京湾埋立にするというニュース、下水道局広報サービス(電話03-5320-6511)の話しによると、小宮町の水道局の流域水再生センターのものは10月27日から東京湾に埋め立てている。北野処理場は市の独自の施設でこちらもそろそろ大田区に埋め立てられることで進んでいるそうだ。 汚泥は各センターからタンクローリーで汚泥処理施設、南部スラッジプラントへ運び、風で飛ばないよう水とセメントを少量混ぜ粒状(指でつぶれる程度)のものを作り(HP写真)埋立地へ運んでいる。
23区は5月からすでに埋め立てており、リサイクルに廻っていた焼却汚泥の70%も全て埋め立てている。埋立地は下水道局と清掃工場とで区画され管理されているそうだ。水を含んだ状態で蓋付ダンプで運び、荷降ろし、平滑にして土を被せ、再び荷下ろしサンドイッチ状にして埋めていると言う。外側の構造は東京都環境局HP、埋立地のパンフレットに紹介されているようだ。(現在フリーズして見れない・・・。)
今回の堆積汚泥は下水道施設の焼却汚泥ではないため扱いが違うらしく、東京湾には行かないようだが、八王子市は保存場所をはっきりとさせていない。北野処理場の焼却汚泥が2月中には東京湾に持ち運ばれ、空いた倉庫に保管されるのではという話も聞く。
ホットスポット発見が全くない市の測定と同じことで、市は保管場所を隠すことで市民の不安を取り除くことができるのだろうか。
北野の処理場は将来館町へ移転の計画があるようだ。 放射性物質はいつ自分の町へ集められるかもしれないと思うと、どのように保管するか情報公開しない市へ一存するのは不安だし、遠くの話で関心がないとは言っていられない。
個人的には巨大な設備投資で危険なものを1か所に集めるより、めじろ台2丁目の地中どこかに密封管理すればいいのではないかと思っている。
環境省ガイドライン第2編より抜粋 |